いつもの事ながら何かへの「買い替え」となると「お土産」として今までの愛機をお預かりする訳ですが、今回懐かしいメンバーが揃ったのでご紹介します。

先ずはGerdt。これは本当にハードボイルド(?)な楽器でして、「半端な奏者は受け付けないどころかはね返されてしまう」程に奏者へ要求されるレベルの高い存在です。Lars GerdtというRoyal Symphony, Royal OperaをPrincipalとして現在も実戦バリバリで活躍中のプレーヤーが「自分が演奏するにあたって理想的な楽器」というレベルで楽器作りを行っているだけに、相当手強い訳です!「各スロットはこれ位広くないと各指揮者や各作曲家の要求に応えられない」というのが、なまじのプレーヤーでは「ピッチが悪い」とこうなる訳です。「そりゃピッチが悪いのでなくてあんたの方が毎回スロット内のどこに引っかかるか判らないイチカバチカ奏法だからでしょ!」と某巨匠に一蹴されてる可哀想な方もいらっしゃいましたが、やはりそれは事実の様です。それはつまり「吹ける人」にとっては「掛け替えの無い最高の相棒」という事であると思います。
画像のモデルは、全域に渡って実に「濃い」響きがします!それは超高音域に於いても同じで、耳障りな細い音でなく腰の据わった厚みのある「楽音」なんです。それにProjectionの強烈さはまさしく驚異的です!
次はAdams。
当初このメーカーがトランペットを作り始めたと教えてくれたのは、以前やっていた欧州ブランドの職人さんでした。彼が「きっと面白い楽器を作るメーカーになるぞ!」と言ってくれたので数本オーダーしたまでは良かったのですが、やはり超大企業だけに’Quantity Before Quality’とばかりにバンバン増産し始めると・・・。その後にお客様のオーダーで入れた一本は以前とは全くベツモノ化してました・・・。
とは言えシルエットはオーソドックスだし、価格もこなれてるし、こういう楽器が好きな方も多いと思います。画像の様な往年の名機の完コピも得意ですよね。
最後はWeber。
このWeber氏の楽器は氏の人間性そのもので、実におおらかでとことん優しいサウンドであることはもうご存知の通りです。しかも加工技術が非常に優れているのは楽器の細部を見れば一目瞭然でしょう。その彼と色んなモデルを開発してきたのですが、やはりその優しい響きが徹底してるだけに、「毒」を表現するのが非常に難しかった訳です。音楽、ことさらJazzに於いては「優しさ」の表現と同時に「毒」のある響きや表現が必要とされる事が多いのですが、その点が唯一この楽器の「苦手」であった点かもしれません。しかしLeadpipeを差し替える事で音の色やSonorityを簡単に変化させられるSystemは実に有効で、かつ画期的なものでした。
画像のモデルは、新品時のものですが、オーナー氏が実に丁寧に扱ってくれた為にすごく美しい酸化皮膜が出来上がっています!こういう皮膜が出来てしまえば怖いものなしなんですよね!!
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