吉田憲司師匠には、Gerdtの最初のモデルから相当気に入ってもらっていたのだけど、今回のBronze仕様が遂に師匠のパートナーとなったのでその報告。師匠とGerdt氏、両氏の間には不思議とパツラの構造やサウンドなどコンセプトの共通する点が非常に多く、「理想のモデル」完成まで非常にスムースに進行して行った。



「新品状態で中低域が朗々と鳴るパツラは高音域も腰の据わったサウンドが得られる」「楽器が抵抗感を支配するものではなく、奏者のコントロール能力によるものでなくてはならない」「リードパイプからメイン管までの設定がその楽器のクオリティを決定する」などなど種々の現場での成果を物語る師匠のコメントはそのひとつひとつが実に重い。しかもその多くはGerdt氏と日頃やりとりをする中で、氏が主張する点と完全に一致している。



こうした楽器作りへのGerdt氏のコンセプトは、パツラのみならずコルネットやフリューゲルにも共通していて、今回のコルネットへの師匠の評価もパツラと同じくその響きの素晴らしさなど高評価を頂いた。(実際このコルネットは初入荷以来、数々寄せられるメールも含めてその反響がこんなに大きくなるとは、まさに「想定外」だった。)
結局、奏者の要求するポイントを過不足無く楽器に生かして製作するには、やはり作り手側がそれを同じく過不足無く理解できる「プレーヤー」でないといけない、というのを痛感した次第。(正直言って、過去入荷分のなかでGerdt氏本人が「これはスゴイぞ!」と言って送ってきたのはまさに桁外れだった!)
ちなみにGerdtはヤート、もしくはヤルトという発音が近いのであしからず。