今回はマッピ。開店してからのデータをみると、私も意外だったが、結構デカイのばかりが売れてる。特にクーバツの1番系は何故かすぐに売れてしまうのだ。結構小さめがベスト・セラーだと思っていただけに意外な結果。そこでひとつその代表的なのを紹介してみる。

先ずはハーセス・モデル。(写真1)



左のが以前Hersethの刻印入りで売られてたもので、右が最近の刻印ナシのもの。見てのとおりシルキーなのにデザインはまんまクーバツ!絞りの刻み(飾り)が2段が1段になったりして、見た目も微妙に違ってはいるが、カップやバックボアなどはそのままだ。氏といえばクーバツ使いとして世界的に有名なのだが、何故シルキーから?と疑問だったのだがカップをみると何となく理解できる。ご存知のとおり最近の(シロ箱以降)BachはUカップとはいえ昔のようなまんまるでなくややVがかったシェイプになってる。それに較べてこのシルキーのはまさしくまんまるで、このシェイプは昨今、他メーカーにもない。もちろんどんな大家でも数え切れないほどのマッピを常時蓄え(?)、又それがさらに増殖してるはずだから、コレが今の使用中マッピであるとは思えないが、本人が使ってる云々よりも、このカップが生み出す音色や吹きやすさはいまや貴重で、「クーバツよりもクーバツらしい」点が妙!先入観なしのプレーヤーには好評だ。


で、次がBachさま!(写真2)



左が現在Bach Shopでつくられてるスクリュー・リムので、右のがcorp.表記のレギュラー・モデル。
やっぱ高いだけあって左のカスタムは通常のよりはスクリュー・リムの分、重いしケツからみた際の偏心も少ない(ゼロじゃないのよ、これが・・・)。でも右のチョイ昔のレギュラー品のほうが明らかに重い。なんとなく金属のデンスやキメも違う気がする。だからって今のがダメって訳でなく、音色や吹き心地の違いはまさに千差万別だから、好みの問題だろうね。

ここでついでにコメントしておきたいのが、「何でもフルイのがイイ!」という人。いわく「マンバじゃないと・・・」とか「チンマは60年代が最高・・・」「コーンは戦前で終わってる・・・」とかで何もかもが昔の方がいいっていう人がいるけど、じゃあ今の2004年はその人にとって何なの?って思ってしまう訳。確かにことアメリカに限ってみれば、60年代までのモノ作りの凄みってのは間違いなく万人の認めるところだろう。でも40年以上も昔をガタガタ言ってたって、この現在の時点じゃどうしようもない訳で、それより今その人にとって最高のモノを探すほうがずっと大事なことだと思うんだけどね。大体NewYorkBachが新品の時にどんなサウンドだったかなんて事をもはや知ってるプレーヤーは絶滅危惧でしょ。なのにとにかく古いクーバツがいいんだと思い込み、つぎはぎだらけのを高い金だして買って、その音がイイと思ってトホホな音を出してる人をみると何だか非常に悲しくなってくる。「今」を否定するより「今」を最高にするのが「今」のオレたちのやるべきことなんじゃないのかねえ?