Hans Kromat に関しては最近色々質問のメールを数多くもらうのだけれど、今回はその Fulugelについて仕様紹介といってみよう。



構造は極々フツーのスタイルだが、ヴァルブ・ケーシングがGBでベル先端部は軽くクランツ(ニッケル製)を巻きつけてある。ボトムキャップはレギュラーより少しだけ重めのをセッティング。てな具合で何ら奇をてらう所もなく非常にスタンダードなデザイン。で、何が違うかというとそりゃ当然「サウンド」!いつものとおりサウンドの説明は言葉では不可能だし個人によって捉え方も変わるので、結局吹くしかない訳だけど、その吹きやすさがとにかく特筆モノ!そして各音のピッチや各スロットの抵抗感などがムラなくすごくスムース、との評価が多い。



このへんはパツラの評価とも共通しているけど、何らのストレスも感じることなく「当たり前の音が当たり前に出せる」ってところがこの製作家のすごい所だろう。とにかく「力が抜けてる」プレイのできる点は、試奏の際にその人のベルから出てくる音を聴いていると一発でわかる。青筋たててppの吹けない突撃ラッパみたいなパツラ家の多い昨今にも、あくまで音楽的な美しい音を軽く吹くプレーヤーも数多くいる訳で、そういう「演奏家」にとっては最高の相棒になる楽器だ。



ところでフリューゲルに合わせるマッピに関して、最近すごくいい加減な人が多い。シャンクのテーパーはもちろん、ドリルサイズやカップ形状、バックボアの形状などパツラと同じ尺度で選ぶと相当音痴な出音になってしまう。高音域はブラブラに垂れてるし低音は腰が浮いてしまってるという症状の人が多いけど、マッピ選びをもう一度やり直してみるべきだと思うよ。とにかくパツラとフリューゲルは全く別の楽器なんだから。