今回はPhat Boy 'Oval'についてです。



先ずこの画像にあるモデル。これはフリューゲル・ホルンといえばこのShapeを思い浮かべる方が殆どだと思います
。Bugle属直系のこのシルエットは今や世界中の基本型ですよね。

Old CouesnonやOld Bessonはもとより,Bach, Schilke, Kanstul, Yamaha等々現在の主要ブランドは全てこのシルエットです。



そして本来これらのモデルは、恐ろしく深いVカップでシャンクも細くストレートもしくは浅いテーパーの、リム径の大きい、まさしくホルンの様なマッピでの演奏を基本に設計されています。しかも楽器本体の特にベル部分は非常にゲージの薄い素材で作られていた訳です。

ところがアメリカに渡りJazzで使われる様になってからは、あくまでトランペットの「持ち替え」としての立場からトランペットに近い口径やリム、そして浅めのカップ、楽器もトランペットと同等のゲージの厚い素材で作られるようになりました。



そしてヨーロッパの本家とは全く違うJazz特自のFlugelhorn Soundが誕生、進化して今に至っている訳です。

それがTaylor社がフリューゲル・ホルンの2つのタイプを作っている理由なのです。「英国のブラスバンドやClassic Musicでの使用」を前提としたモデルと「Jazzに特化」したモデルの2タイプがそれです。

その意味で、このPhat Boy Series、中でもこの'Oval'は「Jazz Playerの為に設計された」唯一のモデルなのです。



何でLeadpipeがSlant Setなのか?何で3番ValveからのTubeが上を向いているのか?何でVenturi Sizeが違うのか?何でベルがこの口径、形なのか?

それらは全てJazz特有の表現を如何にスムースに可能にするかを一つ一つ潰し込んで行った結果です。



いつもの様に、それはご自分で確認して下さい。一番のお気に入りの楽器を持って。