先日友人の執拗な誘いで某ブラスアンサンブルの演奏会を覗いてきた。学生諸氏やアマチュアバンドの演奏も同時に聴くことが出来た訳だけど、演奏者の陶酔した表情とは裏腹にひどい騒音を出してるバンドもあったが、学生の特に女性奏者の真摯な演奏にはクリビツした!曲芸師とか突撃ラッパとかキワモノの多い巷に、久々に「音楽」が聴けてほっとする気がした。それで件の友人バンド。責任ある仕事に従事しながらもパツラを常に吹いてきた彼の演奏は強烈にパワフルだった!パツラへの愛情がそのまま音になっていて、それがストレートに聴く側に伝わってくる。それはプロ、アマの違いなんかは全く超越した「何か」なんだよね。



又一方で、それを理解してくれる楽器の製作家が如何に重要かを痛感した訳。この加工技術がどうの、通産何万本達成だの、何々先生絶賛の、などなど「工業製品」の「商材」としての側面のみが語られるメーカーの多いなかで、個々の音楽性を活かすためにどうすればそのプレーヤーがストレス無く最大限のポテンシャルを生み出せるか、なんて大メーカーからすれば全く非効率的な事を真剣に受け止めてくれる製作家は、この商売の過去の経験上からも非常に少ない。



そんな数少ない真の「名工」の「品番の無い」楽器を、真摯で情熱を絶やさない個々のプレーヤーに今後も気合を入れて紹介していこうと思う訳。とにもかくにも音楽へのピュアな情熱って、「演奏者」にとっても「製作者」にとっても、凄く尊厳のある気高いものだと改めて痛感した次第!