前回既報の通りこのConn ‘VOCA Bell’が来月半ばまでには仕上がるのですが、やはりこの辺りは40代以上の方からの問い合わせが集中しました!もはや化石燃料の奪い合いよろしく、ヨレヨレの老体に高値をつけて希少性だけがSales Pointとなり果てた「往年の名機」は巷で信じ難い高値で取引されていますが、実際に使う人にとっては「実戦の場では使い物にはならない」ものばかりの様です。

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Taylorの Vintage Re-Issue Seriesはそんな「実際にPlayする人」の為に、Andyの「名機へのHomage」を込めて、たっぷり時間をかけて作られるOne Offの楽器です。それを今後は「Seasonaryくらいのペースなら」という事で、定期的にウチからリリースして行きます。例えばこの’VOCA’の次としては、この年末頃にMartin ‘Committee’ Mdl.が完成します。


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今や「原寸大」を遥かに超えた評価を受けて、もはや「伝説」となりつつあるこの’Committee’ですが、「訛りのキツいイントネーション」、「急激なダイナミクスの変化についていけない」、「Slotがバラバラ」、等など「愛好家」や「コレクター」でない「演奏家」にとっては「厄介な楽器」なんだそうです。まあ現存する個体は新品時とは懸け離れた状態ですから、止む無しな面もありますが、それらの問題点を一つ一つ潰し込んで「現在の音楽シーンでストレス無く吹ける楽器」としてRe-Issueさせる訳です。

今は幻化してしまった多くのメーカーや、今では満身創痍で原型すらあやふやなモデルなども紹介できればと思っています。個人的には、当時相当にとんがってぶっ飛んでいたLew Davisとかホント最高なんですけどね!

まあこんな事を完璧に出来得る職人はAndyしかいないと思います。と言いますか本当の意味で「楽器を知り尽くしている職人」なんて世界中に数える程しかいないですよね。一方で大メーカーは「売り上げ本数」至上主義で「大量生産に向いたモデル」しか作らない。すると今の車と同じで、すべての車が同じ様な顔と性能で、無味無臭な「工業製品」が溢れかえって毎週の様に数十本並べて「大選品会」とやらをやっても売れない始末。
まあ本当に「個性のある」しかも「Player Sideに立った」楽器なんて、「クラシック以外の音楽はMボア吹いてりゃいいの」と言いつつ海外のプレーヤーには何でも言いなりのどこかのメーカーなんかには永久に作れっこないでしょうけどね。