いやあもう11月です。あちらは又Holiday Seasonを迎えて最も忙しい時期!このコラムも新着のお知らせが続くと思いますので、今回は地味にヴァルブのお手入れの話しで行ってみましょうか。

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みなさんValve Oilで悩んでる方も多いでしょうが、星の数ほどある中で一体どれがいいのか全く判らないですよね。PTFE入りのSpencer OilとSuper Lubeの組み合わせは「歴史上最高」なんですが、これは後でお話しするとして、使いやすさからすればこのMonster Oilはオススメです。「持ち」と「軽さ」のバランスが良いし、真鍮を変色させたりの弊害も少ないので、毎日安心して使えます。

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で、オイル交換時はヴァルブ部だけでなくて楽器全体のBathingが必須なのはご存知の通りですが、これを面倒くさいと怠ると大変な事になります。前のオイルと混ざると粘ってしまってピストンが急に重くなってあがって来なくなったりします。ヴァルブ部だけを洗浄しても、各パイプ内部の古いオイルが流れ込んで来るので、全く意味がありません。横着するは哀し!

さてBathingが終わりようやくオイルを新しいのに変えて、カチャカチャして即「こりゃ軽い!」なんてやってても本当の結果はまだ出ていませんよ。ラーメンスープと同じで、タレとスープを合わせただけでは判らない訳です。そのオイルが唾液や管内の水分と混ざり合って「乳化」して、更に時間と共に管内の温度が上がってきた時にどうかをチェックしないと!しかも管全体に行き渡って皮膜を作るには最低でも一昼夜はかかるでしょう。しかも持続力云々となれば一週間以上は吹いてからでないと結果は出せないと思います。結構時間かかるんですよ!で結局「オイルなんかなんでもいいじゃねーか!」となる始末。

とにかくどれを良しとするかは自分にしか判らないのですから、自分だけのお気に入りを気長に探してみてください。他人のアドバイスなんて意味ないですから。

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ところで冒頭で触れましたPTFEの件ですが、これがClearanceの違いで前処理の仕方が全く違ってくるので、これは個別にお話しするしかないんですよ。間違うとピストンが固着してしまったりしますから!
でもその結果は「持ち」「軽さ」共に、市販オイルとは次元の違う最高の結果が得られます。それに変な沈殿物(?)も出ないし、真鍮部が全く変色しない!

どうです?益々面倒くささに拍車がかかりましたか??でも間違っても、ワイト島でのマイルスみたく演奏中にピストンを舐めるなんて行為はご法度ですからね!