以前お伝えしたSpencer ML/HG Sterling。今回はその細部をご紹介していきます。

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製作時の「結束バンド」も生々しい全体像ですが、それぞれベルの前後で支柱に半田で仮止めされているのがお判りになると思います。もう最終仕上げの状態で、出荷を待つだけと思いたいのですが、実はSpencer氏の本領はここからなんです!

画像の支柱の半田付けの跡を比較してもらうと、Bell Flairに近い方は幸いにも一発で「アタリ!」なのに対して、Bell Bowに近い方の支柱は何度も動かしてあるのが判りますでしょう。

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これが「鳴り」のBestなポイントを探して何度も位置の変更をした証なんです!スタジオやホールなどSituationを変えて実戦の場で使用しながら「最高のResponse and Effeciencyを得られる位置」を決定する訳ですが、たったの1ミリずらしただけでも激変してしまう非常にデリケートな箇所だけに相当Toughな作業なんです。そしてそれは楽器全体のすべてのパーツに対して同様に行われるのですから、彼の楽器製作への「執念と情熱」には唯々頭が下がります。

ですから届いた楽器は「マンマ」ですでに「究極」の状態に仕上がっています!定評の「Slottingの完璧さ」、「各音の響き」、「Livelyなレスポンス」等など、あのPlayerですら「文句のつけ様が無い!」となる訳です!

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まさに'From Player To Players’だからこその完成度の高さなんですが、その分Delivery本数が極端に少ないのが悩みの種なんです・・・。今月末には到着予定だったPiccoloも現在、Hugh Bonneville氏とのツアーの中で問題点が見つかったとかで、「ゼロからの作り直しををやるから」と相なってしまいました・・・。ですからBach #65 Beil使用のモデルはその後になってしまいそうです。どうぞ気長にお待ち下さい!?