前々回にTraditional StyleのTrumpetを何種類かご紹介しましたので、今回はMassive Styleの、偶然にも全てOval Bellのを3機種を比較してみましょう。

1. Taylor Custom Shop ‘ OVAL ‘ Raw Brass

これはNew Taylor最初の作品であり、Oval Bellを初めて採用したモデルです。とにかくベルの大きさからして圧倒的なMassiveさで、全体が実に肉感的かつ立体的なフォルムです。音もメチャクチャPowerfulで厚みがありながら、高音域のProjectionと音ヌケはこのガタイからは想像できない程強烈です!Raw Brass Finishとの相乗作用で前人未到の「鳴り」を実現しました。

raw_b
raw_b
High : 8 Mid. : 10 Low : 10+ Slots : Ex. Wide Feel : Ex. Powerful, Free Blowing

2. Taylor Custom Shop  ‘ OVAL U ‘ LAQ

これは上記の’ OVAL ‘をさらに進化させたモデルで、Water Keyを始め、ベルシェイプやテーパーなど徹底的に無駄な部分をそぎ落とし「音」そのものを「純化」しました。その結果、最高の「効率」を得る事に成功し、各スロットのWide RangeでHi-Fiなサウンドをいとも簡単にヒットできるSteress Freeなモデルとなりました!この極限まで絞り込んだシルエットは’ Chicago V ‘にも採用された実にSophisticatedなものです。

laq_a
laq_b
High : 9 Mid. : 10 Low : 10 Slots : Wide, Even Feel : Smooth, Comfortable, Quick Response


3. Taylor Custom Shop ‘ Punkish ‘ LAQ

これは見かけと違って、実に吹きやすく最高に人間臭いサウンドが特徴のモデルです。ハスキーで厚みのあるVoiceは、特にJazzのソロワークで絶大なポテンシャルを発揮します!こういうSmokyでWashyな、それでいて立体感のあるサウンドって、軽量タイプの楽器では絶対に体感できない領域です。しかもこの計算されたTilted Angleによって、バテしらずの快適な長時間の演奏が可能となりました。

punk_a
punk_b
High : 8 Mid. : 10 Low : 10 Slots : Wide,Even Feel : Smooth, Smoky Voice

以上が今のラインナップから厳選した3台です。

最近のトレンドは、「ボアはますます細くウエイトはますます軽く」です。その音を言葉で説明するのは至難ですが、「パー」という響きが「ペー」、高音部はその上鼻にかかり「ミー」という様な音ですよね。その差がそっくりそのまま ‘ Trad Type ' vs ‘ Heavy Type ‘の差でもあったりします。ある程度の重量がある楽器は軽い楽器の音も出す事ができる反面、その逆はあり得ません。音の引き出しをどんどん捨てて行くと、誰が何を吹いても全て同じ様なか細い音しかしなくなってしまいます。果たしてこの傾向は一体どこまでいくのでしょうか?「聴き手」の事をもっと考えるべき段階に来てるのではと最近つくづく思う次第です。

さて、お盆の期間、必ずメールで来店される日時をお知らせください。この狭い店です。他のお客様とバッティングすると出してる音が全く判らない事態となりますので!?よろしくお願い致します
お盆の静かな築地で、じっくり存分にTaylorを始めとしたラインナップを吹いてみてください!お待ちしています。