最近色んなタイプの楽器が市場に出回っていますが、外観は古くからあるオーソドックスな形(顔)でも、中身は「最先端」というのがやっと出てくる様になりつつあります。プレーヤー・サイドもようやく「何か違う」事に気付き始めてる気がします。で、今回はこの点について。

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皆さんご存知の通りピストン・トランペットの原型といえばFrench Bessonですよね。で、そのクローン達による現存する全てのブランドの「規範」となってる訳ですが、哀しいかなその規範である元のBessonは100年も前の設計であると言う点なんです。しかもそのクローン達は「ほぼマンマ」の状態で、なんらの進化も遂げていない「完コピ」でしかないのです。

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この100年の間に音楽そのものも大きく変化し進化してきました。高性能なマイクロフォン、それによるPAシステム、エレクトリック楽器の誕生、そしてデジタル化という大きな変革などなど、100年前には考えも及ばない程の変革が行われました。ところがラッパは何も変わっちゃいない!明治時代の自転車でツール・ド・フランスに出場してもねえ?、しなくていい苦労が変に「美化」されてませんか?それが「おゲージュツ」だとでも?

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で、強引に現在の環境に合わせる為に、マッピのスロートをデッカくしたり、リードパイプやメイン管を交換したり、怪しいアクセサリーでドレスアップしたり・・・!そんな事したって土台の設計は変わらないのですから何も状況は好転しない訳です。音は確かに「変化」はするでしょうが、それに騙されてはいけないと思うのです。しばらくすると又同じ壁にぶち当たるのは必定!だって4畳半は4畳半なんですから。

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あともう一方の問題は、ノスタルジーと勘違いして「古い楽器は最高」という神話がいつのまにか一人歩きしてしまってる事です。サックスなんかひどい状態ですよね。他人の唾液や癖の染み付いた、もはやEdgeのない音しか出ない楽器が100万円以上だなんて!その流れがラッパにも及ばない事を祈るしかないです。同じチューインガムを一生噛み続け、又そのガムに100万円払う人が「ラッパ人」に出ない事を!!

さあ具体的にはどこがどうなのか?どこを進化させるべきなのか?それは当事者である貴殿が最もお判りになっていると思いますが、また回を改めてご紹介しようと思います。