Harrelsonの第一便が届いてから想定外に多くの問い合わせや試奏のアポを頂き本当に有り難い限りながら、現在手持ちが後から届いたこのHT-3だけになってしまい、これを売ってしまうとアポの入ってる方々に吹いてもらうものもしばらく無くなってしまうので、もう少しのお時間をご容赦頂きたい。ご理解願います。



その代わり、というのも変だけど、詳細の報告をしておこう。

Harrelsonの言うStanding Wave Efficiency (S.W.E)については以前のコラムでもお伝えしたが、とにかく「既存の多くのラッパは設計が約100年も前のまんまだけに現在の音楽環境にFitしない面が多く出て来ている。又奏者の発生させたエナジーが楽器の各所から逃げてしまい、かなりのロスを生んでいる。」という所から端を発してる訳。そのロスを可能な限り減らす事で、より楽により簡単に楽器を鳴らす事ができるというのが彼のコンセプト。



Nodal Pointに、最適な重さと厚みの金属を補強してやることにより、奏者のエナジーはロスなく「ベル先」から放出される「音」へと集約される。ところがそれも余りに完全にやってしまうと、楽器全体の響きがなくなって「ラッパ」とは全くほど遠いサウンドのシロモノと化してしまう。



その辺りのバランスを一本一本、奏者としても活躍している彼自身が実際に実戦で試しながらベストポジションへと追い込んで行く。とまあ実に時間と手間のかかる作業をしている訳なんだよね。



さてこのHT-3、入り口の厚めのレシーバーから注がれたエナジーはメイン管のコーナーで最初のカーブを突破する。その際U字型のブレイスがベルとメイン管をガッチリ支えつつベルへとフィードバックする。同時にヴァルブクラスターに集約させたジョイントプレートによってStanding Waveの「音逃げ」は極限まで抑えられ、全てのエナジーはベルからのProjectionによって一斉に開放される、というしくみ。



ラッパを試奏する際、多くのひとは最初に大体Mid-C辺りから上へ行けるとこまで行って戻ってくる。でその時の音量はffないしはMax。この人達にとっては「いかに高音域が出易いか」が最重要ポイントな訳。 反対に、Mid-C辺りからLow-F#までをppないしpppの極小音量で何度も何度も色んな吹き方で試す人もいる。「極小音量でどこまで反応し、また音像が崩れないか」「低音域の響きはどうか」などがポイントな訳。

Harrelsonは是非とも後者の方法で試奏して欲しい。理由はもうお判りでしょう!