築地ってさあ、戦前の建物とかがまだかろうじて残ってるんだけど、銅板の表面に緑青を生やして銅の腐食を保護する技法を使ったプレートで建物の外壁を覆てる店舗とかをよく見かける。

先日委託で預かったBachのRaw Brassなんだけど、これが又オーナーの手入れの賜物でその酸化皮膜育成大成功(?)の好例なので紹介しとこう。

ね、このヌラヌラした感じ、かっこいいでしょが。酸化した真鍮の上に透明な膜のがあるようなこのテリ、これが大事なんだわ!所々の赤い部分はご愛嬌で、これは若干手入れの薄かったところなんだけど、その他の部分は非常にキレイに仕上がってるよね。これを更に磨いていくと玉虫色の3Dに変化してくるんだけど、そこまでいくとヤワなメッキやボテボテのラッカーなんかより遥かに金属の保護力は高いし、それに照明が当たるとそこが実にミステリアスに光るんだよ!

楽器って自分の体の一部なんだから、演奏後の手入れは必須だあね。何も手間はかからない。ただただツバの飛び散った跡や手が触れたところを固く絞ったウエスで磨くだけなんだけどなあ。これをしないでおくと全身赤錆まみれでガサガサの表面で、やたら小汚い感じの楽器に成り果てるからご用心!食後の歯磨きと同じ。まとにかく「吹ける」奴の楽器は手入れもコンディションも常時最高に保たれているって事よ。