さあてこの2点のフリューゲルを見て違いが判るだろうか?そう、右の今までのモデルに較べて、左のノーラッカーの方がベルの開きが大きくて太さがあるのがジーッと見ると識別できると思う。この"Fat Guy"が今回のニュー・モ デル。


以前から言ってる通り、ヨーロッパとアメリカでは"Flugel Horn"という楽器に対する認識が全く違っている訳さ。ヨーロッパでは、小さめのベル径で薄めのゲージの素材を用いて軽量に仕上げられた楽器本体を、ストレート・シャンクの恐ろしく深いVカップのマウスピースで、まさに”羽根の生えた様に””翔ぶが如くに”軽やかに唄う、という様にトランペットとは”全く違う楽器”として捉えられているのに対して、アメリカでは大口径のベルでつくりのゴツイ楽器を、”トランペットと同じ”リム径・シェイプで、カップも浅めのテーパード・シャンクのマッピで”トランペットの様に吹く”、いわばトランペットの「色違い」的な捉え方が主流になっている。「持ち替え」という言葉からも、あくまで”トランペットの延長”として見られてる訳。


そこでその手のプレーヤーにも違和感無く使えるものとして、この"Fat Guy"を作ったというのがその経緯。とにかく強烈に暖かくダークなサウンドが信条で、まさに”肉感的”なVoicing!なのに、トランペットのメイン管に当る部分の巻きを変えて所謂”キツさ”の無いStress Freeな吹奏感に仕上げたって訳。マッピの各種テーパーに合わせたリードパ イプも各種用意してあるので、今使ってるマッピで完璧なイントネーションが得られる。以前にも書いたけど、フリューゲルのマッピ選びってここがポイントなのに結構ムリな組み合わせで平気な顔してるプレーヤーが多いよね。高音域でダラ下がりになっても気が付かない人や、もっとイッてるのはそれがフリューゲルだなんて思ってる人!ナマリのきついのはこと音楽に於いてはチート厳しいやね。「世界標準」のイントネーションで存分に唄ってちょーだいな!