ここのところヨーロッパのカスタムメイドが中心になってきた。音へのこだわり度合いやアプローチの仕方など細かいポイントまで実に真剣だし、第一、自分の作品にプライドを持っている。そのうえ新しいことへの挑戦には非常に意欲満々で、こちらのリクエストにも果敢にトライしてくれる。
以前のアメリカもそうだったのに、と思うと悲しい限りだ。現状アメリカでつくられてる「今川焼き製造機」で大量生産されるような「商品」を楽器と呼ぶには忍びない・・・。

 

ここで言っとくけど、これらのヨーロッパ軍団は決して奏者に媚びてはくれないという点!これは申し訳ないけど吹き手によって天国と地獄が恐ろしくはっきりしてしまうのだ。
プロ、アマは関係なく自然な奏法と自然な息の流れを体得し、自分の「唄い方」を完全に持っているプレーヤーには、そのサウンドの違いは歴然と出てくる。これはそばで聴いていてこちらも驚くほど、明らかに違ってる。自由に泳ぎまっくてるような感じで、それは理屈の入り込む余地は無いほど。
ところが楽器に「オンブニ抱っこ」状態のプレーヤーには悲惨な結果・・・。ピッチ、音色などすべてが楽器が決めた範囲でしか唄えないプレーヤー、又それらは楽器が決めてくれるのだと思い込んでるプレーヤーにはてんで吹きこなせない。自分が楽器にコントロールされる(助けてもらう)のに慣れてしまっている人にとっては「太平洋ひとりぼっち」状態に置かれてしまう訳。

 

ゴルフのドライバーにほぼヘッドの全面スィートスポットだらけってのがある。これは毎回ヒットする場所がバラバラな人には無くてはならない存在なのだが、常に真っ芯で捉えられる人にはオモチャでしかなくなってしまう。これと全く同じ状況だよね。
とにかく出音一発でその人のすべてが判ってしまうパツラってある意味もっともコワイ楽器なのかもね・・・。