さてさて星野氏の「Hassy人語」の3回目を寄稿頂いたので、早速ご紹介しましょう!氏の写真、ブツ撮りでもどことなく「しなやかさ」と「上品さ」が出ててホント素晴らしいと思いませんか?

では、どうぞ!!


「Hassy人語」(その3)by Hossy

「フィルムは湯水の如く…」

☆‥現在、Hasselblad
Vシステムを所有する我々Hassy同志の面々が直面している問題として、なんと言っても以前に比べてフィルムの供給不足ってありますよね。1960〜70年代なんて、有名な名所・観光地の売店などでも一般的にブローニーフィルムは堂々と販売されてました。今では大手カメラ店ですら、フィルム売り場は隅っこで肩身を狭くして、行く度に悲しくなっちゃう。パトローネやブローニーのプラスチックの巻き取り軸を見て、何に使うか分からない世代も出てきてるから、とにかく時代の変化を痛感してますよ。

☆‥私事で恐縮ですが、新聞社に在籍していた'80〜'90年代には、通勤時の小さいカメラバッグの中でさえ、35mm36枚撮りやブローニー、モノクロ、カラーネガ、カラーリバーサルなど、感度違いも含めて6種50本は常時携帯してました。ポケットなどにも2〜3本は必ずありましたね。そう、フィルムは湯水の如く…ジャバジャバ使いました。そうして、カメラマンは鍛えられていくのです。www

☆‥やはり、Hasselbladを持っていながら、フィルムを入れないでカラ撮りで終わってしまえば、写真がうまくはならないのです。バシャバシャ撮らねば!コストを考えれば、フィルムで600円、現像で600円として、計1,200円…1枚あたり100円!…そこからプリントでしょ。これが高く感じればフィルムカメラの世界からは、足を洗った方がいいかもしれません。コストを気にしだしたのは、デジタルが普及して、それと比較してしまったからです。

☆…しかし、Hasselbladって、1970年の大卒の初任給が4万円だった時代に、500cと三種の神器(50mm/80mm/150mm)のセットが100万円っていわれてまして、広告写真家がこぞって使うようなそんなカメラだったでしょ。ズバリ、贅沢品なんです。持ってるだけで、ステイタス!それに比べて今、趣味の世界でVシステムをデジタル化するのにケチる人が多いこと。100万円超のPhaseOneだのLeafだののデジタルバックなんて、当時の感覚からすれば当たり前のように使うのが普通と思うが、いかがなものでしょうか?(写真は、SWAに装着したPhaseOne)

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☆‥アンチデジタル派を否定することは、一切しません。Hasselbladは、フィルムが一番いいんです。そのままで続けられれば、確かに一番いいんですよ。だからこそ、それに加えてのデジタル化ですよ。デジタルバックもフィルムマガジンと同じ感覚でいけますから。1万2千カット…120フィルム1,000本撮ったら、デジタルバックの元とれます。そう、デジタルは湯水の如く…ジャバジャバ使えますよ。

☆…最後に、デジタル化で少し前に登場したナイスアイディアな商品に、今でも注目している。HASSELNUTSというiPhoneを利用したなんちゃってデジタルバック(写真2点)だ。今でもヤフオクで、たまに出品を見かけますね。

 

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e283800017
https://camp-fire.jp/projects/view/800

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せめて、ポラパックの代わりなら、正当派Hassyも使ってみたくなるかな。Xylemで、こういうの作って欲しいね。3Dプリンター活用して。



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by Hossy【PSJ(日本写真協会正会員)】

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