最近街中をシューティングしてて驚くのは、ちょっと来ない間に街の建物や表情、空気までもが激変してしまってること。何だかやたらとヘンテコな建物が街としての統一感など完全に無視してバラバラ建ちまくってるんだよね。マンションだの商業施設だのが無秩序に垂れ流し状態で建っていくのを見て、漠然とした恐怖を感じてしまうと同時に「浦島太郎状態」な訳さ。

そんな点からも写真の「記録」するという側面も非常に大事なんだなあと痛感してしまう。今となれば、代官山や原宿の同潤会アパート、新橋の広大な空き地に何故かでっかいロケットが寝かされている姿、スカイツリーの基礎工事が始まる前の寂しい風景、ホーンテッドマンションと何だかイメージが重複してしまってた交詢社ビルの佇まい、等等、今となっては貴重な「記録」なんだよね。だから本能むき出しで「とにかく撮る」って姿勢がすごく大事なんだと痛感するんだわ。

何か「写真を撮る」っていうとやたら身構えてしまって「ゲージュツカ」気取りしちゃう人って多いじゃない。でもその多くは「嗚呼、勘違い!」なんてケースがほとんどなんだよね。「記録」上等!そんな中から「記録」を超えた「何か」が写ってるショットが必ず出てくるもんだと思うしね。たとえばいつも例に出してる"Full Moon"っていうアポロの記録写真集がある じゃない。あれなんてホントその典型的な例だよね。C.50ミリをセットしたELMが宇宙服の右胸の位置にへばり付いてて、それで「記録」した月の表面の姿は何か全く別のものに見えてくるし、それが「記録」っていう当初の役割を遥かに越えて完全な「作品」に昇華してるんだよな!

とにもかくにも、たとえば息するのにカッコつけてる人もいない訳だし、普段のちょっとした「オオッ!」を「とにかく」撮っていくっていうのがキモなんだと思うよ!そんな「記録」のなかにきっと「何か」が写ってるショットがあるはずだから。

さあて、今回のベッピンは久々のSWC/M。あいにく調整中に付きイメージ的に近いSWCの画像で我慢して!クロ鏡胴にクロームのボディのど新品クラス!もちろんエレメントに「ワイパー・キズ」の無い完全無欠状態だ!