しばらくぶりのコラム。ここんところカメラ業界はデジタル化の嵐。まさにレコードからCDへと音楽の記録媒体が大変革したのと同じで、もはや「オレはデジタルなんて認めない!」なんて言ってられない状況。80年代の音楽産業も、たとえその劇変に乗り切れなかった人であろうがなかろうが、いやおう無しにデジタル化の波に飲み込まれた。大体レコードでの新譜が出ないのだから仕方ない。所詮いつまでも70年代以前の音楽しか聴けない、なんて状況が音楽好きに耐えられる訳がない。
カメラも同じで、銀塩の寂しい状況はブランドが激減してるのを見ても明らか。はっきり言って「仕事」としての写真はもはやデジタルでないと考えられない状況。早い話「35ミリはもうデジタルだ!」と私も実感する。ポジをルーペで覗き込んで「周辺部がどうの・・・」「ボケ味が柔らかで・・・」なんてチマチマやってる連中が惨めったらしく感じる今日この頃だ。
そもそも35ミリってその機動性のよさが創成期のウリだったはず。それがいつのまにか「35ミリ道」めいたものが出来上がりワビ、サビを求める対象と化してしまった。中版中毒、ハッシー中毒の私としては、ライトボックス上のあんなちっこいスペースにシノゴノ言ったってまさに重箱の隅。35ミリはその機動性を生かしてあくまで「記録メディア」として割り切って付き合いたい。大体「デジタルじゃ作品は撮れない」なんていう人が銀塩で撮れる訳がない、と思うんだけど・・・。



ところがどっこい、中版以上の世界はまだしばらくは銀塩時代が続行しそうだ。何故って第一に中版以上用デジタルが高価過ぎる点。ハッシー用は各社からも新製品が出てはいるが軽く数百万はしてしまう。そのうえまだまだスタジオユースが前提で、野外では最低でもノートブックを接続してないとロクな画像は撮れない。そんなこんなで幸か不幸かまだ当面はフィルムを買い続けないとダメな様子。だから今のうちにデジタルを知識としてでなく体で覚えて準備万端整えておきたいところだ。
でも、贔屓目ヌキにハッシーのレンズ、即ち絶頂期のツアイス社のレンズは、デジタルでこそその底力を発揮するのだから我らの持ち駒は無駄にはならない。その情報量の多さとその正確性こそデジタル化(数値化)で明らかになる訳。某デジカメにエルマー付けて「やっぱ味があるよねえ・・・」なんてやってる世界とは完全に次元の違う、我らハッシーフリークの次なる段階に向け、銀塩でも今のうちにハッシーをもっともっと使いこなし、もっともっと各レンズのクセや特徴を体で記憶しておくべきだろうね。
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