今回はワインディング・ノブについて。
よく使われるノブは写真の4種類。機種によっては使用不可なものもあるが500Cもしくは500CMの方はどれでも使用可能。



一番左のはメーターノブ、これはセレン故に今では感度にバラツキがあり選ぶ際は注意すべきだが、AvailableLightの中では意外に正確な露出を教えてくれる。それにたとえメーターがご臨終の場合でも、一番右の通常のノブに比べて厚みがあるためがっちりホールドできて巻上げがし易いという利点がある。
で、左から2番目は、ワビ・サビとは無縁のその無粋な格好から最も迫害されているプラスティックのノブ。ところが意外にもプロの間では人気がある。理由はレバーをたためば通常のノブとしても使用可能だから。もちろんラピッド・ワインダーとしても使用できるし、万一失くした場合も比較的安価で手に入れられる。
そして3番目が一番人気のメタル製ラピッド・ワインディング・ノブ。ただ、我々アマチュアにこれを使って速写する必要性はほとんどないだろう。それにこの手のアームを使って巻き上げる場合、「巻きおろして巻きあげる」という一連の動作の間でトルクの違いが生じてコマ間の狂いが結構出たりする。そして最も多いのがバシャバシャ調子に乗って連写するうちに完全にギアを廻しきらないうちにレリーズしてしまったりしてフリーズしてしまう事故が多いこと。又、アームをたたむ際にパッチンパッチンとボディに当てて、ひどいのはボディのその当たる部分が陥没してしまってること。格好の美しさは誰しもが認めるところだけれど使用にあたってはそれらの点に充分注意する必要がある。
結局、最後の普通のノブでじっくり確実に巻き上げてあげるのが一番安全で確実な方法かもしれない。
とはいえ、やはり我々アマチュアは「格好のよさ」も重要なポイント。以上の点を踏まえて、もっともしっくりするのを選べばいいと思う。それにしてもノブひとつを見てもこれだけのバリエーションを提案してくれたHasselblad社の当時の良心には、いつもながら恐れ入るばかりだ。