最近やたらとオーバーホールに関する話題が後を絶たない。今回はこれについて。先ず最初に機械モノは楽器であれカメラであれ、極力「腑開け」はしない方が良いのだということ!
 例えばレンズのクリーニングで済むのに、問題の無いヘリコイドやシャッターまでばらす必要は無いということ。
 とにかくなんでもバラバラにしてしまえば安心する人が多いが必要も無い箇所までいじくる必要はないしそこから生じる狂いも考慮にいれないととんでもない事態に陥る事となる。盲腸の手術に全臓器を取り出されたら黙っていられるわけが無い。それと全く同様に、オリジナルのセットアップをそれを組み込んだ以外の修理家(ほとんどがこのケースだろう)が手を入れる場合、少なくとも工具やパーツはオリジナルと同一のモノでないと必ずどこかが辻褄あわせの犠牲となり、削る、切り取る、ひどい時には、割愛するなんて恐ろしい被害を被る事となる。
 先日、某修理家のところに某自称大修理家にオーバーホールしてもらい大枚10万円近くを支払わされた挙句、ピントが全くこないと駆け込んできた人がいた。早速シェルをはずしてその修理家いわく「何もやってないよ・・・」!!みるとほこりだらけの内部に、デタラメなミラー位置、おまけに前玉に同心円状のひっかっきキズ。ご丁寧にレンズ前面の押さえ枠にはでっかくなった2個の穴!工具がないからコンパス状の工具で針状の先をねじ込んだ為のあわれな結果だ!キレたその人がその場で電話したらその自称大修理家、「だったらお金かえしますから!」と金切り声で逆ギレ状態。お金は戻ってもその削っちまった箇所や引っ掻いたキズはもう元には戻らない。
  事ほど左様に、とにかく大手術の前には自分でその病院・医者の腕前や設備を確認すること。そしてどこが痛くてどうしたいのか、ちゃんとその医者と相談してから手術をうけること。これが重要なことだと思うよ。週刊誌の「日本の名医」とかを鵜呑みにして体内にハサミを置き忘れられてもあとの祭り!「お金かえします」じゃ済まないよね!