しばらくぶりにSWCの初期モノが入ったので、特徴的なところを紹介する。
先ず、ストラップ・フックが半月状である事。当然ストラップも半月状の金具のついたのが当時存在していたが、以降の金具にみられる押さえがない為に脱落する事が非常に多かったらしい。(写真-1)




次に、絞りの絞込みノブが無い事。しかも穴は開いてるのに黒いプラスティックでシーリングしてある事が特徴的。これを見て大騒ぎする前に、「コンペンディウム」の105ページを見るべし。当時その機構は組み込まれていなかったらしく、以降のふんどしタイプになってから初めてノブが組み込まれた。(写真-2)



そして、シャッター・スピード表示は当然刻入りである事。絞り側のノブが小振りである事。この辺りはご存知のとおり。こうやって見ていくと、当時のハッセル社とツァイス社の力関係が見えてきて非常に興味深い。80ミリレンズの初期モノ等にはマウント側にもシリアルが打ってあるけど、この辺り、相当ツァイス社の意地とプライドがひしひし伝わってくる。
そのせめぎ合いがハッセルを支えてた訳で、ハッセルの強烈なモノ造りの執念といったものが個々のモデルに滲み出ていたけど、今度の新製品はツァイス・レンズではなくなってしまった。そのモノとしての性能はさておき、大事な何かが失われてしまった様な気がする。