いやはや今年もあと3週間ですが、毎年の事ながら何かソワソワしてしまうこの時期、又々ゾワゾワしてしまうものが届いたのでご紹介します!

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Spencer Custom TrumpetのC管です!ご存知の通り英国はBb管の国ですが、C管の余りのリクエストの多さにSpencer氏が重い腰を上げて製作し始めたのが数年前。今回のオーダーを受けて、ようやく「本人が吹いてみたいと思うC管」が完成しました!

C管のBb管と持ち替えでいつも問題になるのは「吹奏感の違い」「音質の違い」「イントネーションの癖の違い」「マッピの違い」「パワー感の違い」などなど。それらの問題点をクリアする為、過去にあのメーカーからも色んなタイプがリリースされましたが、結局「定番」と言えるStandard Modelは未だ暗中模索といった状態ですよね。

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リードパイプを長くしたり、ベルのテーパーをいじったり、マッピのカップやシャンクの長さを変えてみたり、等など苦心の歴史が物語っている様に発展途上の楽器なのかもしれません。

でもリスナーの立場からして一番の「違和感」(?)はあの独特の線の細いファルセットの様なヘラーっとした「音」そのものです!しかもイントネーションの問題からか非常に不安定に聴こえてしまうんですよね。

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実は生粋の英国人であるSpencer氏もその点が「非常に気持ち悪いし落ち着かない」ので、C管は「好きじゃなかった」とハッキリ断言していました!

そこでこのモデルの開発が始まった次第ですが、「Bb管の音や吹奏感そのまま」の「驚異的なパワーのある」in Cの楽器、しかも「C管ならではの華やかな音色はキープしたい」と。言葉で言うのは簡単ですが、それを一台の楽器として完成させるのは「並大抵の事じゃない」訳です。

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オケからソリストに至るまで、「英国のありとあらゆるPlayer諸氏」からの日頃の不平・不満やリクエストを基に、自分で実戦の場で試しながら作り上げていったC管が今回のモデルです!

さてそれがどの程度のものか、いつもの様に自分で吹いて確かめてみて下さい!正直、じっくり聞き込めるC管の響きって私は初めてでした!!