今回はSpencer Trumpetについて。

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Taylorと全く正反対の「芸風」のSpencer、ご覧の通り頑なにBach Shapeに拘り続けています。だからこのコラムで紹介してもみな同じに見えてしまうかもしれませんが、吹いてみれば「どんだけ違うんだよ!」という事になる訳です!!

今回のはサテンとグロスの2種類のラッカーで仕上げてNSのLeadpipeをGB Bellにマッチングさせています。これはClassical Musicや吹奏楽にも合うほんの少しTightめの吹奏感とコンパクトながら遠鳴りのする響きです。イントネーションやSlotting、それに悦楽的なFeatherlike Piston Touchはいつもの通りで、「使う楽器」としてのStressは皆無。もはや「完璧」の域です!!

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Spencer氏はBach Trumpetへの造詣が非常に深く、彼のConversionやRegulationは英国内はもちろんEU内でも高い評価を得ています。例えば下の画像のBachは彼のRegulationによるものですが、「通常品」に較べてどれだけの「違い」があるのかは一音吹くだけで誰にでも判ってしまうはずです!

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しかし当然の事ながら、あくまでもBachのPartsをそのまま使ってのRegyulationは彼の「理想とする響きや音色」からはまだ距離がある。

「なんでこの音だけピッチが上ずるのか」「この音域だけ何故急に音色も抵抗感も変化してしまうのか」「Slottingがバラバラなのは何故なのか」といった次から次に出てくるいう問題点を「一体どうすれば改善できるのか」長い長い試行錯誤を繰り返しながら突き詰めて行った結果、「黄金期のBachに較べて今のは、あるポイントがある時期を境に大きく変化している」という事を発見するに至った訳です!それらのポイントを大きさや厚み、素材などを変え「気の遠くなるほど」多くのパーツを作って、実際に現場で自分はもとより数多くのプレーヤーと試してみた結果、最高の成果を得られたPartsとそのSettingに行き着いた!

それが彼の作るSpencer Trumpetなのです。

本国では演奏活動が忙しくて、なかなか楽器製作の時間が取れない様ですが、ウチへは定期的に入荷していますので是非一度吹いてみてください。今のBachと価格面でも大きな差は無いのに「ここまで違うか!」というのがよ〜くお判り頂けると思います!!

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