「眠れるお宝発掘シリーズ」(?)第2弾!前回のOld StockのBlank Sheetを使った楽器の紹介に引き続き、今回はValve Knuckleです。今や幻のBauerfeind黄金期最後のKnuckleのAndy秘蔵品をMountしたChicago X-Lite Silver Platedが入荷しました!これは既にAndyのFacebookで誇らしげに本人が紹介しているのでご存知の方も多いと思います。
Taylorでは非常に珍しいSatin SP Finishは、ややもすると「鳴りすぎる」X-Liteをほど良く引き締めて、厚みのある腰の座ったサウンドを生み出す事に成功しています!!

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で、丁度タイミングもいいので今回はValve Knuckleについてお話ししてみます。

Bauerfeindは過去何度かオーナーが変わり、現在はあの某社が所有/製造しているのはご存知の通りです。ところがこれが・・・!とにかく触ってみればよく判る通りの「シロモノ」になってしまいました・・・。

欧州を中心とする多くのトランペット製造メーカーや製作者がこのValveを使っていた訳ですが、現在のオーナーに変わってからは価格は上がるし、供給量は減らされる、そして何よりQuarityが???となり果てて、各製作者にはもはやほとんど使われなくなってしまった訳です。

今回のはWillson社がオーナーだった時代のもので、Andy曰く「黄金時代のだけに実に精緻な作り」だそうです。ウチでも以前はすべてのWeberやGerdtにこの時代のを使用していました。そのタッチの素晴らしさは多くのオーナーからも絶賛される「押す時はすごく滑らかでソフトなのに返りはスピードがある」実に完成度の高いものでした。

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ところでよくこのValve部がさも楽器全体の「音」を決めてしまうかの様に言われていますが、これは実験の上からも信憑性は怪しくまさに’Bull'そのものです。実際に実験して各種の「音」や「響き」を確かめたりもせず「伝説」が作られている気がします。「Valveは楽器の心臓部」なんて言われてる意味をはき違えないで欲しいと思います。

以前、某製作家がBel CantoにKanstul, Getzen, B&S,Bauerfeind, Bach等など様々なメーカーのValve部をくっつけて実験してくれた事があります。Playerも興味津々でかなりの人数が集まる中Blindfold Testが行われた訳ですが、「音」の差を聴き分けられたPlayerは残念ながら一人もいませんでした。それほど微妙な差なんです。

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Valveに求められるのはそんな「音」の側面よりも「タッチ」「スピード」などの「機能面」の方がはるかに重要なんです。「心臓部」の所以はまさにここにあります!そして各々相性のいいオイルによってその「性能」は大幅に違ってきます。(まあそれについては回を改めてじっくりと!?)

よく言われる「Valve Top部がNSなのはいい音がする」なんて物知り顔でのたまう御仁、実際に実験して確認したのか尋ねてみたいものです。「音」に関する多くの部分はBellとLeadpipe/Main Tuning Slideにかかっています。それらの気の遠くなる様な組み合わせも以前徹底的に実験しましたし、今もそれは継続中です!とにかく怪しい「伝説」は自分で確認するに限りますよね!

楽器、なかでもトランペットは、「部品」がその全体の「音」を決めるものではありません。着地点である目標の「音」や「響き」「吹奏感」などには其々どの「部品」が適しているか、そして其れ等をどう「組み合わせる」かのコーディネートのセンスと技量にかかってているのですから!

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