世の中「規格外」とか「桁外れ」という言葉がありますが、このDecoUはまさしくその言葉が相応しいと思います。
「こんなに音のデカいのは初めて!」「中低音の厚みや押しの強さなど、トランペットでここまで出せるんだと再認識した」と本人が驚いてるんだから間違いないでしょう。
Standard Lineが、ChicagoVで「もはや行くところまで行った」と一つの完成を見た現在、このBalladeer Lineはトランペットという楽器の更なる飛躍"Next Step"への大きなヒントとなりました。

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このBalladeerは、古くはFat Freddieに端を発し「Trumpet SoundとFlugelhorn SoundのHybrid」というコンセプトで開発されたモデルです。でも正直なところ設計がどことなくイモくさくて中途半端、それにサウンドも太いのは判るのですが、何かシャープさに欠ける気がして、あまり好きなモデルでは無かったというのが本音です。

そこで「外観は思いっきりTraditionalで、しかも色んな仕掛けを盛り込んでNew Balladeerを」というリクエストで作られたのがDECOの前身でもある最後の画像のCrown Jewelなんです。 実はこのメイン管までのチューブは全て無垢のブランクからの削り出しなんです。既存の圧延によって作られた中空チューブとは圧倒的なレスポンスの差があります!でも恐らくほとんどの人はそれを外観からは見抜けないと思います。実際ウチの常連諸氏も「普通のスタイル」としか認識できなかった次第です。でもここまで巨大なポテンシャルを生み出すベルをフルに振動させる為にはそれは必須の「シカケ」なんです。ヤワなチューブじゃ歯が立たないのです。

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しかも大口径ならではの「固有振動によるノイズの除去」の為に、ベル自体にも「シカケ」が必要なのはご存知の通りです。シンバルの裏のエレキバン(?)によるチューンナップと同じ原理ですよね。
とまあここまで徹底した細部に渡る問題点の潰し込みの結果、最初の本人弁に繋がりここに結実しました!しかも40年のHorn Builderとしてのキャリアの中で、「過去最大で最高の結果」を生み出すことができた訳です。

「25ワットのマーシャルを100にした様な」全域での余裕ある響き、音量、そして比類無きサウンドの幅、豊かさ等など、まさしくExtraordinalです!

さて、これを深めのカップのマッピで演奏するのは常套ですが、敢えてリード向きと呼ばれる浅めのカップで吹いてみてください。高音域がこんなにヒットし易いものかと驚愕されるはずです。しかも中低音や低音も楽器がたっぷりとフォローしてくれますから浅め特有のヒステリックな音痩せしたサウンドとは無縁です。本当のFree Blowingとは何かを必ず実感して頂けると思います。

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追記:先日’Taylor Horns’(仮称)の第一回目の顔合わせを行いました!医師、消防官、建築設計士というフロントにリズムセクションなのですが、現在チューバでベースのランニングのできる方を探しています。どなたか逸材をご存知の方は是非ともご連絡をお願い致します。また「我こそは」と思う方もパートに関わらず、是非ご参加ください。ご連絡、お問い合わせはいつもの様にメールでお願いします!