来月到着してからコラムの予定でしたが、又Andy得意の「掟破り」無断完成前先走り公開 On Facebook!これからラッカーに出して、戻ってきてからもうひとひねりの工程があるのでこちらへは来月初旬の到着となります。Andy本人も先に届いている’DECO’が「個人的に一番気に入ってる」らしいですが、更に「進化」させたものに仕上がりました!

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今回のモデルはBell FlairのRibが目立つでしょう!とにかくBalladeerのBellはCrown JewelのLine Stone、Deco Firstの小口径化、そして今回のRibと何らかのSuppressionを施さ無いとBand内ではこれしか聴こえ無い程のポテンシャル、ベタに言えば「爆発的パワーがある」ので、製作時に上手くそれをコントロールしてやらないとならない訳です。が、しかし!今回のはそれだけではありません!?どうぞ来月をお楽しみに!!


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さあてここのところ「古典的設計」の楽器についての話をしてきましたが、何が最新の楽器と違うのかは文字では表現できないのでこちらで試奏される際に実感して頂くとして、その選択において、プレーヤー側のBreth Controlの問題も大きなポイントになっています。息の量・スピード・パワーなどの違いが楽器の選択に大きなポイントとなっているのは確かです。

よく「抵抗が無いとダメ」とかいう「楽器全面依存型」の人は大抵軽くて細い楽器を選んでいます。ある意味それが「合ってる」のでしょう。ところがこの手の楽器を逆に、息のパワーもスピードもある人が吹くと「ウップ、うっぷ」で、それをBreath Controlしつつ何とかして演奏してはみるけれども音に表情が全く出ていない。例えてJazzで言えばFreddieのImpulse時代にBachを吹いてる時と、後期の 3-L-9なんて強烈にデカい組み合わせのCallicchioを吹いてた時の、音や響き、その感情の入り具合とかを較べてみるとよくお判り頂けると思います。これぞまさしく「適材適所」!「合う、合わない」は厳然として存在しています。ですから誰にでも「合う」万能の楽器はあり得ないと思うんです。「ジャズにはこれでしょう」とか「クラシックならこれです」なんて大きなお世話でしかないですよね!

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楽器はReinforcementを行えば行う程重くなります。しかし入り口の信号は、途中に逃げてしまう事無く、忠実にもれなくベルフレアから放出される利点があります。軽い楽器は、途中に逃げてしまう箇所がいくつもあり、ベルから放出される時にはは相当量の信号が「漏れた」「逃げた」後なんです。その代わり(?)吹いてる時に自分にはよく聴こえるし、派手な響きがしてる様な「美しい錯覚」も与えてくれますよね。

それともう一つ、「重い楽器はAgingに時間がかかる」という点!よく例に出すシンバルや木管楽器のリードと同様、厚いゲージのものが「振動することに慣れる」までは結構Toughです。で、この段階でせっかちな多くの方は我慢できず手放してしまう訳で、そんな楽器は非常にオイシイですよ!ようするにAging が完了した後の響き方、鳴りっぷりの凄さはそれを完遂した人にしか判らないですから、その点も理解しておいて頂きたいところです。「楽だ」「すごく鳴る」の評価に「時間差」があるのを踏まえた上で較べて下さい。

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とまあ結局、ラッパ吹きの宿命として「一生自分の音をダイレクトに聴く事ができない」のです。自分が陶酔できる楽器もいいですが、聴き手にどう伝わっているのかも考えて欲しいと思うのですが、その為には「いかにストレス無く演奏できるか」が最初の最も大事なポイントで、それには「先入観」「固定観念」が入り込む余地は本来あり得ないはずなんです!自分が素直に音楽に集中できる、そんな楽器がその方に「合ってる」楽器なんじゃないでしょうか?それはご自分にしか判らないものです。

そして次に来るのが「音色や音質」の問題です。これは「聴き手」の事も考えないといけないので非常に難しい!これについては又次回にでも!