一日のうちで相当数のメールや電話を頂戴するが、中でもいまだに多いのが「T*とノンTではどちらがいいでしょうか?」「CとCFはどちらがいいですか?」というもの。「わかりません・・・」としかお答えできないが、とにかく自分がそばが好きなのかうどんが好きなのかは他人には解らない、ということ。自分で使ってみて判断してもらうしかない。そういうまわり道は絶対に必要で必須なものであって、ショートカットなんてある訳ない、というのを理解して欲しい。CとCFなんてのも同じ!まずどちらでもいいからこれはと思う焦点距離のレンズをつかってみることさ。その上で、もっとコントラストを自然にしたいとか、彩度を上げたいとか、f値をどうしたいとかの欲求が出て来た時点でもう一方を使ってみて比較すりゃいい。そんな事よりまずは「その焦点距離が自分にとって必要なのかどうか」を試してみるのが先だと思うんだけどね。自分に必要なレンズのラインナップは自分で決めるしかないでしょ。さて、そのへんを踏まえた上で今回のコラムに行ってみよう!
先日、中目黒の桜の洪水の中にいて思ったことがある。それは「写真に紫外線はある程度必要なもの」ということだ。



とかく「UVカット」はコーティングやフィルターなどでも御存知の通り、必須条件としてあたかもUVが諸悪の根源かの如く徹底して排除される傾向にある。ところが、試しに今が盛りの桜を撮ってみれば解るはず!最新の機材で撮った桜ってなんか違う・・・と感じるんじゃない?あのモワーと桜色の霞がかった様な匂いたつ様な雰囲気・空気が全く写らないと思わない?眼でみるのと全然違ってない?実はそれが「紫外線効果(?)」なのよ!
物理や化学じゃないけど、紫外線って光のなかでも波長が短いのでレンズに入った際真っ先に感光面に到達する。だから銀塩の場合フイルム面において一番先に感光する訳。でもその影響でその他のオイシイ色があとから感光することとなり、「干渉」されてしまう。(音で言えば、高音がでしゃばると中域の部分が「引っ込んだ」様に聴こえるのと同じ)その結果「滲み」が生じてしまう訳だけど、これがまた昨今では徹底して敵対視されていて、せっせと分厚いコーティングやフィルターで「UVカット」してしまって、レンズそのものの設計段階で除去されてる始末。結果すべてが「UVカット」されたコントラストの強い「人畜無害」な「カキワリ描写」となる訳!(これはCDとレコードでシンバルの音を聴いて比較すると一発で判るのと全く同じ現象だよね。一般的なCDには20Kヘルツ以上の高音域は入ってまへん!)何でも適度の「毒」は絶対必要だと思う。何でもかんでも「完全消毒」されて、それが完全に消滅したら人間は地球では絶対に生きていけないやね!
でもこれはあくまで「好み」の問題であり私の意見だから、結局は「どっちが好きか」しかない、ただそれだけのこと!そしてたったそれだけの事を自分で体験して確認するのが「趣味道」であり「ハッシー道」な訳ですよ!!
さてと、宣伝もしとこ!画像のは久々入荷の120ミリのCFでやんす。ただし現物は点検中につき昔の画像で失礼しやす!