SWC系が人気機種であるのはわかっていたつもりだけれど、先々月フェアをやってみて改めてその凄さに驚いた次第。この場をかりてお礼もうしあげますす。そこで今回はこの曲者の気になるポイントを二つばかし。

(ファインダー)
このSWC系のキモとなってる(?)のがこのファインダー。初期のSWAのはプリズムが尻尾まで詰まって相当金のかかったであろうツクリだけどSWあたりから中身が空洞のモノにかわってしまう。重さを比べれば一目瞭然。かといって描写には関係ないし、見え方を云々するならコシナ製がベストだと思う。
ところでファインダーなんて必要ですか?というのもこれで撮影された写真ってほとんどが同じに見えるからだ。極端なこれみよがしのパースをみせつけたのばかりで、その全てがおなじアングル。ファインダーを見つつ、一生懸命水玉を合わせて撮るから画面は全て水平!趣味で撮る我々アマチュアはもっと気楽にこの名機を使ってやるべきだと思う。このコンパクトさを生かさない手は無い。よってノーファインダーでの撮影をだまされたと思って一度やってみることをオススメする。
その意外な構図・アングルにびっくりするだろう。そしてこんなにスムースに撮影できるのかと改めてSWC系の魅力にとりつかれることとなる。とにかくファインダーの呪縛から逃れること。これがジャジャウマ馴らしの第一歩だ。

(フード)
これは必需品だが効果の程は怪しいもの。大体オリジナルはやたら高価で、しかもハクバなら500円位で買えそうな実に情けないデザインだ。そこで本格的にハレ切りするなら蛇腹フード(プロシェード)しかない。ところが視野の半分近くは遮られてしまう。じゃあどうすりゃいいんだ!方法は2つ。フォーカシング・スクリーン・アダプターを使うかフード無しか!
大体ハレがどうのこうの言ってる暇があったら一枚でも多く撮れと言いたい。どんなシチュエイションでどうハレが出るのかも把握しないでとにかくフード付けてりゃ安心、これじゃあ意味が無い。そもそもハレってそんなに悪者なのか?少なくともそのハレが作品の生き死にを左右するなんて大それた状況に直面することは我々アマチュアにとってまずあり得ない話だ。内面反射の話もそうだけどマイナス要因ばかりを問題にするより、それをプラス要因にして作品に活かすことを考えるべきだ。ハレも内反射もすべてをカットしたカキワリのような写真ばかりじゃ気味悪い。少なくとも自然界じゃあり得ない。
反面構図がどうしても問題となるならフォーカシング・スクリーン・アダプターを絶対に使うべきだ。ファインダーのいい加減な視野枠を信じてる人が何ゆえフードによるケラレを云々するのか解らない。中には肉抜きしたフードで喜んでる人もいる。こんなのはまさに飾り。遮光も何もあったもんじゃない。遮光も構図もいい加減な状態であなたは一体何をしたいのですか?フォーカシング・スクリーン・アダプターで確実な視野を確保し、三脚立ててじっくりピントを追い詰める、この一連の作業をこなさないと真の構図は得られない。

とにかく一体何がしたいのか、何が問題なのか、それを把握しないでまんまカメラ屋の餌食となるのはやめて欲しい。とまあHasselblad氏がたった一本のレンズの為に生み出した名機だけにちょっとやそっとじゃあ仲良くなれないけどその苦労のし甲斐はある完成されたカメラであることは間違いない。開放、手持ち、最短距離、ノーファインダー、これが究極の目標だ!